新チーム編成も始まっていますが、現1・2年生のレベルアップが大切です。
新入生がどんな活躍をするのか楽しみな反面、リレーメンバーの大半を占める2年生が引退したあとのチームがか~なり気になります。
まだ入試も始まっていないのに…(^^;)
『来年のことを言うと鬼が笑う』といいます。
熊本の昔話をちょっと紹介
むかしむかし、益城に福田寺(ふくでんじ)というお寺があった。ここの和尚さんは、仏様のありがたい教えを話して聞かせるだけではなく、田んぼに行っては稲の作り方を教え、村に出ては石垣の作り方までも教えていた。
村人たちは、困ったことやわからないことがあると福田寺に行って、和尚さんに相談したり、教えてもらったりしていた。そんなにえらい和尚さんだから、しばらくすると、あちこちのお坊さんたちが教えを受けに福田寺に集まってきた。
(省略…)
住まいに帰った鬼は、床についたが、折れた歯が痛くて眠れない。冷たい石にほっぺたをつけたり、谷川に行ってうがいをしたりしたが、痛みはだんだんひどくなった。一生懸命に我慢していたが、とうとう泣き出してしまった。そして、一晩泣き続けた。
朝になった。通りあわせた村人が覗きこんで、
「どうして泣きよっとかい。太かなりして(大きい体でいながら)、泣くと見苦しかばい。」
「ワーン。ワーン。歯がかげて(折れて)しもうたたい。痛か、痛か。」
そこへ、ゆうべのことが心配になった和尚さんが、急ぎ足でやって来た。
「おやおや、大きい声を出して泣いとるな。どれどれ。」
大きい口の中を覗きこんでいた和尚さんは、鬼の背中をバンと叩いて言った。
「大丈夫、大丈夫。だいぶん折れとるが、来年はまあだよか歯の生えるばい。泣くな、泣くな。
それを聞いた鬼は、顔をくしゃくしゃにして笑いながら、
「和尚さん。そらほんなこつな(本当のことですか)?また、歯の生えるとな。また、団子ば食わるるごつなっとな(食べられるようになるんですか)?」
と怒鳴って、笑った。今まで、どんなに嬉しいときでも笑ったことのない鬼が、大きな声をあげて笑った。
「生える、生える。来年になると、まあだ強か歯の生えるばい。」
「わあ、よかった。歯の生える、生える。」
鬼はとめどなく笑いこけた。
「鬼は来年のことば言うと笑うとばい。」
「わあ、面白か。来年のこつ言うと、ほんなこて(本当に)笑うね。」
それからは、村人は、暇さえあると鬼の住まいを訪ねては、
「来年はよかね。よか歯の生えるね。」
「来年は楽しみね。どぎゃん(どんな)歯の生えるどか。」
「来年は、また、そばきりだごば食おうごたるね(食べたいね)。」
と言っては、鬼を喜ばせた。鬼は、それを聞くたびに嬉しそうに笑った。
「来年のことを言うと、鬼が笑う。」という言葉は、このときから始まったともいうそうな。
おしまい。
全文は
肥後むかし話「
鬼が笑った話」から。
今年いいことがあった人もなかった人も、来年勝負をかけたい人も、みんな笑顔で残りの20日間を過ごしたいですね!